ワクチンの職域接種を終えて
公益社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会
会 長 草 間 時 彦
本会で実施しておりました新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたワクチン職域接種が、8月26日に終了したことをここにご報告申し上げます。
我が国で感染者が確認されて以降1年8か月余りが経過しました。その間、緊急事態宣言発令等により経済活動の抑制や自粛生活が余儀なくされる中で収束への道は開かれるものと思われましたが、変異株の発生、拡大等も伴い、現在「第5波」と呼ばれる状況にあります。収束の鍵を握るとされるワクチン接種が、医療従事者を中心に始まり高齢者へと進められる中で、集団、大規模接種や個別接種を担う自治体等の負担を軽減し、接種の加速化に向けて職域接種が開始されることとなりました。
本会でも、会員、従業者、役職員ひいては消費者各位の命と健康を守るべく検討しましたが、従業員が千人以上の企業等が対象となり、また医療従事者を確保することが要件となったため、当初本会のような団体での適用は難しいと思われました。しかしながら、検討を重ねる中で神奈川県歯科医師会の全面的な協力を得ることが可能となり、実施に至ったものです。
接種は7月4日から6回、2回目の接種を含めると12日間にわたり実施され、会員並びに従業者等4千名の皆様に接種することができましたが、一団体の力だけでは不可能な事業であり、改めて社会との繋がりの大切さを思い、実施に向けてご尽力いただいた関係各位とともに、接種会場で対応いただいた歯科医師会の皆様はじめ役職員の皆様に心から感謝申し上げます。それとともに、予約が叶わなかった皆様には、この場を借りて深くお詫び申し上げます。
官民挙げて進められるワクチン接種につきましては連日のように報道され、接種率は高まっていますが、若年層への接種とともに自宅療養者の増加等が懸念されるなど道筋が見通せない状況です。世界的に見ても衰える気配はなく、変異株の猛威の前に我が国の感染者は150万人を超え、亡くなられた方も1万6千人を超えており、医療現場の逼迫が伝えられています。
こうした状況に鑑み、本会では、「新型コロナウイルス感染予防ガイドライン(神奈川県宅建協会版)」を社会情勢に照らしながら見直し、活動の指針としていますが、その上で一人一人が社会の一員として、なお一層の注意を払わなければならないと考えています。
このように国難と言われる状況の中でも、刻々と時間は流れ未来へと繋がっています。コロナ禍の中、図らずも我が国のデジタル化の遅れが露呈しましたが、9月1日にデジタル庁が発足し、それらを取り戻すべくスピード感を伴う改革が想定されます。本会は、この度の職域接種同様に動向を注視し、前を見据えながら真摯に対応し、公益法人としての責務を果たしてまいります。
本会に対しまして、引き続きご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
不動産会館5階 接種会場