ディランド山京株式会社/京都府京都市

地域を魅力的にする取り組み

<取材日:2021年11月15日>

 

エリアと事業領域を決め
自ら投資をし、地域の信頼を得る

買取りの手法で商店街の雰囲気を一気に変えていく

 

・自ら物件に投資をして顧客と同じ目線に立つ

・ワンストップのビジネスで大手にはできない信頼を得る

・商店街再生

・地域の一員としての役割を果たし地元企業やオーナーとの関係を強化する

 


 

自ら物件に投資をして顧客と同じ目線に立つ

─貴社の沿革について教えてください

 弊社の前身は1960年代から父が行っていた市場経営の会社、伊藤産業です。私は大学時代から不動産業を行いたいと思い、在学中に宅建免許を取り、いずれ起業するには地元の不動産業者で学ぶことが大切と考え、(株)山京に就職しました。

 (株)山京は分譲住宅、賃貸管理、建設、売買仲介と総合的に不動産業を営んでいました。(株)山京で6年の経験を積んだ後、1989年に自ら(株)ディランドを設立。主に建売住宅の分譲販売を中心に展開していきました。

 一方(株)山京の在職中に、当時市場を廃業し休眠状態であった父の会社の伊藤産業で第1棟目の収益物件である学生向け賃貸マンションを1985年に土地を購入して、1987年に(株)山京で建物を建築し、不動産収益物件の賃貸業を行う会社への道筋をつけ、歩み始めました。

 2005年に(株)ディランドは(株)山京より分譲物件と賃貸管理部門の事業譲渡を受け、社名をディランド山京(株)とし、分譲住宅とお客様の資産運用と不動産管理に軸足を移していきました。

 建売分譲の場合、家を買っていただいたお客様とは、その後、次にお取引をすることがあるかどうかわかりませんが、私は一人のお客様とずっと長く取引ができる関係を築くような仕事をしたかったので、不動産所有にプラスして、不動産管理を核にした事業を展開することにしました。

 収益物件を建築していただき、管理を受託し、空室をリーシングするだけでなく、お客様のご子息の家の購入の相談があればお手伝いさせてもらうといった、いわば百貨店の外商のように提案をし、仕事を引き受けながら、お客様との関係性を深めていくようにしました。

 そのようなお客様目線での対応から知名度が上がってきたのでしょうか、資産家の方は地元の有力者でもあることが多いので、横のつながりが強く、地域の中で「ちょっと助けてやってくれへんか」と、お声がかかるようになりました。

 

─事業用物件を中心に扱う中小不動産業者は少ないと思います

 最近は収益物件を扱う業者は増えていますが、事業系に特化した不動産業者は少ないと思います。当社が成長できた要因のひとつに、事業用物件が中心で、しかも企画から建築、リーシングや賃料集金、メンテナンス、管理物件の巡回までワンストップで行う体制を構築できたことが考えられます。そのような中小不動産業者はあまりいないので、競合が少ない状態でした。また、当社の特徴として、自社で投資し、駐車場や貸店舗、貸工場や貸ビルまで、今では事業系を中心に多種多様に100物件程所有し、直接賃貸事業を行っていることが挙げられます。実際にお客様に投資してもらっても、どのようなコストがかかり、どれだけのリターンがあるかわからないこともあります。最初に自ら投資費用というリスクを負って、オーナーとリスクを共有すると、オーナーと同じ目線に立つことができますし、的確なアドバイスができるようになります。信頼していただくには、自ら投資をし、失敗から成功へのプロセスを経て、フィードバックしていく中で結果を出すことが必要で、ひとつひとつを成功させなければならないという意識でやっています。

 

 

ワンストップのビジネスで大手にはできない信頼を得る

─事業用のビジネスになると特殊なノウハウが必要というイメージがあります

 居住用に比べて、お客様は法人客が多く、絶対数が少ないため、ニッチな商売であるといえます。また居住用は使用方法など物件のイメージがつきやすいですが、事業系は職種により、どのような物件を、どのような場所で、どのように使用するかわかりにくいところがあります。

 貸工場や貸倉庫は、企画から持ち込んでオーナー(貸主)様に建ててもらい、それを管理しています。「工場なんか建てて、空いたらどうするんだ」とアパートなどに比べてユーザー(借主)様のイメージがわかないことから心配する方も多いので、当社では10年間の家賃保証をしています。しかも、建築コストは賃貸マンションに比べ低いので、半分くらいの年数で投資回収が可能なプランを組むこともできます。さらに、ユーザー(借主)様が自身の事業をされる場所ということで、賃貸借の期間は10年以上の長期のものが多く、かつ法人契約も多く、居住用物件に比べ収入が安定し、修繕費などの経費が少ないというメリットがあります。

 

─貸工場などのユーザー(借主)様はどのように探すのでしょうか

 当社で貸工場や店舗を借りていただいているユーザー(借主企業)様は1,000社程あります。まず、ユーザー(借主企業)様からの紹介、問い合わせがあります。

 このエリアでは当社が貸工場倉庫、店舗を最も多く手掛けていることが浸透しているので、設備投資を予定している企業の情報を持つ金融機関や、他の不動産業者からの紹介が多く入ります。また、新聞広告、看板、もちろん最近はネットからの問い合わせも多くを占めるようになってきています。このようにユーザー(借主)様の情報がコンスタントに入りますので、ここ5年間で平均入居率は97%以上ですし、新築物件の場合は供給が少ないこともありほぼ100%です。

 

多目的貸倉庫「ビジネスファクトリー宇治小倉」

種智院大学向島キャンパスと事業用定借を結んでいるヤマダ電機

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─工場などの建物はユーザー(借主)様の要望をそれぞれ反映しているのでしょうか

 基本的に貸工場や貸倉庫は一般的な汎用性のある建物を建てます。建売住宅と同様、建物の高さや床の荷重、電気の配線や駐車場の台数など標準的な仕様を設けます。

 ユーザー(借主)様の希望をそれぞれ反映させると、その企業が退出した後に次のユーザー(借主)様を見つけるのが難しくなります。特別な建物を希望する企業もありますが、そのような場合は、保証金の増額、契約年数の長期化など投資額へのリスクヘッジを行います。また土地の紹介から行うこともあり、長期間借りてもらうことで投資回収を行います。実際に、宇治市の日産車体の跡地を購入し、それをヤマダ電機さんと、三重県で1万坪の土地を購入し、それをイオングループのイオンビッグさんと、どちらも事業用定期借地権設定契約を結びました。

 大手企業の場合、リーガルチェックが厳しいので契約締結までが大変です。事業用の契約はユーザー(借主企業)様により条件が異なるため、契約書の内容がリスク軽減のノウハウといえます。

 

─事業用物件の場合、大手企業との競合が激しいのではないでしょうか

京都市中心部におけるコンサルティング案件「メゾン・ドウ・クール」

 確かに大手企業の強い領域です。例えば、京都市の中心の老舗仏具店の所有地の有効活用を企画したことがありますが、この案件は大手銀行と地銀がそれぞれ紹介した大手競合会社2社とコンペになりました。物件が京都の中心地であることから大手の提案は、高さ、容積制限目一杯にホテルを建てる提案でしたが、その提案では、斜線制限等で容積が有効に使われず、レンタブル比が低くなり工事費が割高になります。それに対して当社の企画は、建物は3階建てに抑え、1階にテナントを入れ、2~3階を居住用のハイグレードな賃貸マンションにする内容で、安定性、継続性と想定収益率が競合会社のものより高いと評価していただき、最終的に当社の提案が採用されました。しかも、当社の場合は約1,000社の法人テナントと契約していますので、先に入居するテナントを想定の上でとなります。場合によっては交渉しながら、建物の提案ができます。万一、事前に決まらない場合は当社が家賃保証もします。

 また、学校法人真言宗京都学園の依頼で種智院大学の向島キャンパスの誘致を行った時も大手のゼネコンと競合しました。京都市内で2万坪の土地ということで、物件探しは難航しましたが、地元の人脈を駆使して探した結果、調整地域の物件が見つかり、行政への働きかけや、27名の所有者に対して説明会などを繰り返しながら話をまとめることができました。

 よく中小不動産業者にとって大手企業が脅威だという議論がされますが、ある地域において、お客様とのつながりが深ければ、大手企業と対等に戦うことができると思います。私たちと大手企業では、まず事業に取り組む姿勢が違うと考えます。大手企業は経費率が高いので、どちらかと言うと早く売って利益を上げようという回転率重視のやり方で、時間がかかる割に、あまり利益が見込めない仕事は受けません。また、担当者も転勤で異動していきます。

 私たち中小不動産会社はそこに商機があると思います。ただ一方で、「地元を良く知っているから」ということで勝てるかというとそんなに甘いものではありません。やはり、日々、技術力や能力を高め、いろいろな事に挑戦し、コミュニケーションを密にして、最後まで逃げないという企業姿勢を地域の人に見せられないと、お客様は大手企業の方に行ってしまいます。

 

─ユーザー(借主企業)様やオーナー(貸主企業)様も依頼先は大手企業にということにはならないですか

 ユーザー(借主)様が上場企業などの場合、金融機関系列の大手不動産会社などに物件探しを依頼されることはよくあります。事業系の売買物件は確かに大手企業が強いですが、中小型の賃貸物件はそうでもありません。また、大手不動産会社が情報をよく知っているということはなく、結局金融機関地元支店に相談し、大手不動産会社から当社に依頼が来るということも多々あります。

 先ほど大手企業との競合の話をしましたが、大手企業との連携・提携が必要な部分もあります。

 最近は不動産業務も細分化と分業化が進んでいますが、オーナー(貸主)様の立場からすると、大手に頼むより、声をかけやすい地元会社に依頼し、賃貸仲介や改装工事を一社に依頼して全て済むのであれば、スピーディーに解決しますし、安心と思われるのではないでしょうか?

 ひとつの会社から内容によって建築士や宅建士が来て、企画、建築、リーシング、管理、リフォームなど全てを1社に任せるほうが便利なはずですし、それに対応できれば信用も高まります。

 

─工場や倉庫の用途にも新たな動きがあるようですね

 工場や倉庫のユーザー(借主)様と言うと、一般的に製造業を思い浮かべるでしょうが、最近は借主様のニーズが多様化しています。具体的には、工場の天井高と基礎の強さを利用して、ボルダリングスタジオとして使用したり、3オン3のバスケットボール場や卓球教室、スケートボード練習場になった例があります。また、製薬会社の工場だった建物をリノベーションし、地ビール工場として再利用した案件もあり、工場の用途が従来のものと全く異なってきています。

 さらに、最近のトピックスとしてはアーティストが工房として使う事例があり、現代アート作家である名和晃平氏※1に4カ所の建物を借りていただいています。以前は京都市の小さな貸工場におられましたが、「貸工場か貸倉庫はないですか」と問い合わせをいただき、元サンドイッチ工場だった物件を紹介することができました。工房名も“SANDWICH”と名付け、その作品はルーブル美術館のジャポニズム2018年に出展されました。名和先生の作品は素晴らしく当社も作品を購入して社内に飾っています。また、有名な作家なので海外からも若いアーティストがたくさんやって来ることから、借りていただいている建物の中には、当社で近くの民家を購入し、カフェのある宿泊施設を計画されているものもあります。

 

元工場の新たな使い方:スケートボード、ボルタリング、バスケットボール

ア−ティスト名和晃平氏の工房

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街再生

─商店街の再生にも取り組んでおられます

竜馬通り商店街 2014年以降に営業開始店舗(赤枠が新しく開店した店舗)

 伏見七商店街の一つに竜馬通りという商店街がありますが、2014年当時、40店舗のうち19店舗が空き家になっていました。元々、地域住民向けに買回り品を扱う店が多かったのですが、店主の高齢化や扱っている商品が時代に合わなくなってきたことから、若い人は地元ではなく京都市内に買い物に行ってしまい、徐々に空き店舗が増えていきました。ただ、このエリアには寺田屋などの史跡や月桂冠や黄桜を始め酒蔵が「27」もあります。そこで、核になるテナントを誘致できれば人を呼べる商店街になると思っていました。しかし、そんな折、商店街の中の4軒の空き家が不動産会社に売却され、分譲住宅が計画されました。そうなると、商店街として再生していくのは難しくなります。すると、商店街の理事長から地元のミニコミ誌出版の社長を介して「何とか力を貸してほしい」と相談がありました。その4軒の空き家を所有している不動産会社は協会の同じ支部の方でしたので、その会社から全て当社が譲り受けることにしたのです。

竜馬通りの活性化はこの店の誘致から始まった「咲蔵」京都市景観賞建築部門奨励賞受賞

 ただ、この商店街は本当にすたれていて、相当なインパクトを起こさないと難しい状況でした。ここに地元の人や観光客に来てもらうには、地元の会社で、しかも集客力のあるテナントを呼ばなくてはなりません。そこで、地元伏見で大変繁盛している「鳥せゑ」という焼き鳥屋さんに来てもらおうと、社長を口説きに行きました。内装費がとんでもなくかかると言われましたが、それを全て当社で持ち「地域のために出店してほしい」とお願いしたところ、先方も粋に感じてくれたのでしょう、2016年に新ブランドの「咲蔵」を出店してもらえることになりました。それ以外にも、管理を任されているオーナー(貸主)様が老朽化した一連の店舗を経営していたので、解体していただいた上で、当社が全て事業用定期借地としてお借りし、建築をして3店舗が入る京町家風商業施設にしました。また元寿司屋の店舗を譲っていただき、大規模改修をして人気のピッツェリアにご出店いただきました。このような動きが竜馬通り全体に普及していき、ナッツ店、甘酒ハウス、ゼリー店、クラフトビール店など、若い人が経営する新しい店に次々と変わっていきました。21軒が続々と新規開店し、雑誌に載るような商店街にがらっと変わり、地元の人や観光客がやってくるようになりました。竜馬通り商店街の再生の事業は、経済産業省「地域産業自立支援事業の補助事業」に採択され、咲蔵の建物は、設計の仕事も認められ京都市より「京都景観賞建築部門奨励賞」をいただきました。

 その結果、点から線へ、線から面へと波及効果は広がり、土地の値段も上がり、今では弊社が譲っていただいたときに比べて、地価が2倍以上になっています。

 この取り組みを通じ、まちの価値が上がれば、土地の価値も上がることを実感しました。

 

─商店街の活性化については紆余曲折もあったと聞いています

 馬通り商店街の北に位置する納屋町商店街があります。その商店街の中に“納屋町センター”という市場がありました。そこには昭和の時代から生鮮食料品や日用品を扱う15軒の商店が商いをしていました。しかし、近年商売をたたんだりする方もでてきて、歯抜けのようなシャッター市場になっていました。

 当社の社員が、商店街の女将さんで構成される“納屋町こまち会”という会で納屋町センターの理事長とご一緒しており、竜馬通りの活性化を見た理事長から「納屋町センター内の店を売りたいという人が大半を占めるようになり、なんとかならないか」と相談がありました。そこで、「地元の商店街の活性化につながるなら」と、当社がその15店舗の権利を全て購入することにしました。購入にあたっては、理事会にて、納屋町商店街全体が賑わうように、集客力のある店舗を再興するという事業計画を説明すると、納屋町センターの組合員の皆さんも地元の企業だということで安心してくれて、スムーズに進めることができました。

 一方、納屋町商店街の理事長が私の中・高・大の後輩だったことから、彼とは「このままではシャッター通りになってしまうかもしれない」という危機感をいだき、「ただ単に箱を整えて、テナントを誘致してそれでおしまいではなく、納屋町センターの跡にお客さんを呼べることが納屋町商店街の発展につながる」と話をしました。当初は再度経済産業省の補助事業に応募し、インバウンド需要を見込み、1Fをテナント、2~4Fをホテルにする案で検討しましたが、補助事業への採択がされず、この案は断念しました。

伏見納屋町小路

 その後、社内で企画会社も呼んで喧々諤々の議論をしました。その結果、「納屋センターの通り抜け路地を再現した施設がいいのではないか」となりましたが、ただ単にテナントを募集しても商店街の活性化につながらないので、日本酒を出す店を集めるとか餃子を出す店を集めるなどの案がでました。そして、最終的に京都はラーメンの人気が非常に高いことから、個人が経営している人気の個性的なラーメン店を集め、ラーメン小路にしようという案で進めることにしました。小路の名前を“京都伏見拉麺長屋”とし、また、伏見といえば稲荷、稲荷といえば鳥居なので、路地に鳥居を建て、資金はクラウドファンディングで集め、参加者の名前を刻み、オープン後はイベントやSNSで情報発信するプランを立てました。そして、募集をかけたところ9戸のうち7店までが決まり、2020年2月には建物も完成しました。しかし、ちょうどその折にコロナ禍の影響が出て、出店申し込みをいただいていた各店の本業が危なくなってしまい、全ての出店が撤回になりました。

 今後の方向性を検討していると、飲食店専門のミニコミ誌を発行している㈱リーフ・パブリケーションズから、売上に応じて賃料が決まる“売上変動型家賃設定”の営業支援の仕組み「スマートテナント」の提案をもらいました。ただ、変動型家賃制にするには、各店舗の売上を把握するためのシステム導入費や、月々ランニングコストが相当かかるため、スマートテナントの導入はやめ、当初6カ月をフリーレントにし、さらに当初の家賃を低くして、売上が定着したら家賃を上げるという傾斜家賃制を導入するという条件で新たに募集を開始しました。また、ラーメンに特化することは止め、店舗デザインも京都風にアレンジし、“伏見納屋町小路”という飲食専門の路地店舗というコンセプトにしました。

 現在は有名老舗料亭である吉兆出身の方の割烹やフレンチビストロなど、多彩に出店していただいています。

 商店街の再生という事業は、土地建物を購入し、建築もするという大きな投資の割には、いくらの賃料で貸せるのかも不明確で、埋まるかどうかもわかりません。このようなリスクがある事業は、大手企業はやらないと思います。やはり地元の企業だからこそ取り組むべき仕事だと思い、積極的にチャレンジしています。

 その後、納屋町商店街様からは、商店街の空き店舗対策のパートナー企業として当社を採択していただきました。これからも商店街と一緒に空き店舗対策に取り組んでいきたいと思っています。

 

※1 日本の彫刻家。Sandwich Inc.主宰、京都芸術大学大学院芸術研究科教授。2018年にフランス・ルーヴル美術館 ピラミッド内にて彫刻作品“Throne”を特別展示。(Wikipediaより)

 

 

地域の一員としての役割を果たし地元企業やオーナーとの関係を強化する

取締役総務部長 岡嶋 緑氏(前列右)と

取締役の方々

 

 

 

─地域の企業やオーナー様とはどのようなお付き合いをされているのですか

 当社で物件を借りていただいているユーザー(借主)様は8,000名、管理させていただいているオーナー(貸主)様は600名になります。その中には企業の方も多くいます。

 地元の企業のオーナー様は金融機関の集まりや経済人クラブの会合でご一緒する機会が多いです。地元企業のオーナー(貸主企業)様はもともと地元の資産家の方が多く、ちょっとした困りごとに対してしっかり対応してくれる、パートナー的存在を求めている方が多いと感じています。

 同じく個人のオーナー(貸主)様も何代にも渡り地元に住んでいる方もたくさんいらっしゃいます。お父様、お母様、息子様、その奥様まで、仕事以外の話でもなんでも相談いただける一生のお付き合いをさせてもらうことを目指しています。

 オーナー様とは毎年ウォーキングの会やゴルフコンペを開催して交流を図っていますが、オーナー様自身も多趣味な方が多くいらっしゃいます。あるオーナー様の場合、ウエスタンバンドライブを開かれ、そのチケットを購入して他のオーナー様を招待したり、弊社の新築店舗が完成した時もオープニングパーティーにオーナー様を招いたりしました。このように仕事以外の関係を深めていくと、「長男が結婚したので家を探して欲しい」とか「親戚の土地があるからみてほしい」「相続に向けてどんな対策を取っていけばいいのか」という相談をいただき、相談から商売に繋がるケースも多々あります。

 そのようなお付き合いをしているので、当社の専務は複数のオーナー(貸主)様から依頼を受け、亡くなった場合の遺言書の執行人になっています。まさに家族のように信頼していただいていることを実感しています。

 

─地域商店街とも深いお付き合いをされていますね

 納屋町商店街には“納屋町こまち会”という商店街の女将さんの会があり、当社から私が参加しています。また、伏見七商店街は7月最終金曜日に夜市が開かれ、若手社員中心に毎年お手伝いをしています。御香宮のお祭りでは男性社員がお神輿を担がせていただいています。

 いずれもコロナ禍で中断していますが、再開を心待ちにしています。

 

 


 

伊藤良之(いとう よしゆき) 氏

ディランド山京株式会社代表取締役。1959年生まれ。同志社大学卒。(公社)京都府宅地建物取引業協会副会長・(公社)全国宅地建物取引業保証協会京都本部副本部長・(公社)全国宅地建物取引業協会連合会理事・(公社)全国宅地建物取引業保証協会常務理事。2021年7月 国土交通大臣表彰受賞。

 

 

 

 

ディランド山京株式会社

代表者:伊藤良之
所在地:京都府京都市伏見区京町3丁目169-1
電 話:075-611-2001
H P: https://www.d-y.jp/
業務内容:京都府南部を中心エリアにとらえ、事業系の不動産賃貸業、不動産管理業を主軸として事業を行っており、付随して賃貸仲介、売買仲介、リフォーム工事を行う。分譲住宅、遊休地や建築物に対しての有効的な活用法の提案や不動産に関するコンサルティング事業を幅広く展開。グループ会社 ディランド山京リース株式会社(主として不動産管理事業)、パルティ京都有限会社