信和物産株式会社/宮城県石巻市

地域を魅力的にする取り組み

<取材日:2021年12月3日>

 

人と人をつなぎ
まちに新たな化学反応を起こす

収益を稼ぐ事業とソーシャルビジネスを区別して取り組む

 

・老舗の管理会社が始めた新しいチャレンジ

・空き家相談の入り口として所有者に寄り添う

・古い建物を生かすことで個性のあるまちにしていく

・農地付き古家の賃貸

・シアターキネマティカ

 


 

老舗の管理会社が始めた新しいチャレンジ

─千葉県から Iターンされたと聞きました

 私自身は生まれも育ちも千葉県浦安市です。不動産に興味がありましたので、不動産学部のある明海大学に入り、そこで妻と知り合いました。妻の実家は石巻市で不動産業を営んでいましたが、東日本大震災で実家の家屋が倒壊。卒業後、東京の不動産会社に勤めていましたが、妻と一緒に石巻の実家に入り事業を手伝うことにしたのです。

 

─事業内容について教えてください

口笛書店が読書好きのためにプロデュースした部屋

 当社は義父が1981年に創業し、賃貸アパートやマンションの管理を主に展開し、売買仲介も年に20件程度行っています。管理戸数は約1,400室で、石巻市では多い方だと思います。管理しているのは大家さんからの管理委託の物件が中心で、自社物件はほとんどありません。現状の課題を挙げるとすれば管理している物件の老朽化です。築年数が20年~30年の物件が多く、「古くなってきた部屋にどのようにして価値を見いだしていけばいいか」について、いつも考えています。

 ただ、先代からの大家さんのお付き合いもあり、DIY可能な賃貸にするなど、私の代で急にやり方を一気に変えるのは難しいですが、ここ数年、まち中で興味深い活動をしている人たちと一緒に試験的なチャレンジを始めました。例えば、廃材を集めて古い家具をアップサイクルして再販している職人にアパートのリフォームをお願いしたり、市内の出版社の方に本をセレクトしてもらい、本付き賃貸住宅という企画をしたり、まちのプレイヤーと一緒に賃貸住宅を作る試みです。

 

 

空き家相談の入り口として所有者に寄り添う

─巻組さんともそのような流れで知り合ったのでしょうか

 私の趣味が自転車で、2014年にフランスの大会に出た際に、福岡の𠮷原さん※1に出会いました。その時に「これからは賃貸住宅はDIYで価値を作る時代だ」ということや、「不動産会社が地方のまちを盛り上げていかないと、まちの価値は衰退する。そうならないように、宅建業者の役割は重要だ」というようなアドバイスをいただきました。それをきっかけに、自分の物件が上手く回ればいいということだけではなく、「まちを活性化していくにはどうしたらいいか」「まちの価値を上げて、このまちに住みたいと思う人を増やすには何が必要か」ということも視野に入れて、仕事に取り組むようになりました。

 そのようなタイミングで、地域で活動する“まちづくりのプレイヤー”に出会い、その中でも巻組の渡邊さんは、不動産会社であれば絶対に手を出さないような古い建物をシェアハウスにして運営していました。それはまるで廃虚のような物件を自ら借り上げて、コストを抑えながらうまく改修し、そこにコミュニティを作り、“ハードの力”ではなく、“コミュニティの魅力”で価値を作りながら入居者を募る取り組みでした。また、入居者にはアーティストなど魅力的な人が多く、その人に惹かれて、また人が集まってくるという循環が作られています。その後、私も一緒に仕事をする機会があり、話をすると価値観や共感する部分がたくさんありました。

 

─具体的にはどのような物件を紹介されていたのですか

 石巻市内には接道要件を満たしておらず、再建築不可の物件がかなりあります。そのような物件は土地としても資産価値がほとんどなく、解体費をかければ、マイナスと評価されます。そのような物件を安価で購入してもらったり、DIYが好きな人に買ってもらっています。中には取引額が0円のケースもあり、その際は手数料収入は発生しないので、契約書のひな形を作り、売主と直接取引してもらいます。買主につなぐだけの仕事になりますが、所有者も空き家を手放すことができ、喜んでくれます。

 例えば、巻組さんに紹介した物件で「日和が丘木の家」という物件があります。この物件は築60年前後の築古で接道条件も非常に悪い物件で、売主は他の不動産業者をまわったが取り扱ってもらえずに困り果てたところ弊社にご来店いただき、無料でもいいので処分したいとのお話をいただき、その流れで巻組さんをご紹介してそのまま引き取ってもらいました。

廃材をアップサイクルしてリノベーションした部屋

 最初は紹介しておきながらも「正直こんなボロ家をどうするんだろう…」と思いましたが、その物件はただ改修するのではなく、石巻市の地元木材をつかった地産地消リノベというコンセプトで生まれ変わり、ただの地域の厄介者だった空き家が、地元の林業を少なからず助け、さらには新たな住民がそこに誕生したのです。

 宅建業者として収益の視点で見ればマイナスの仕事ですが、空き家だった空間が人の集まる場所に変わっていくことにとても魅力を感じましたし、そういう人たちに住む場所を提供し、新たな入居者を生み出す巻組さんの仕事は、地域に大きく貢献されていると思いました。一方で、巻組さんのシェアハウスに住んでいた方が結婚し「新しい住まいを探している」と当社に来られたこともあります。このように私たちのビジネスにも直結する場合もあり、ありがたく思っています。

 

─一般の不動産業者は手数料が入らない物件を扱うのは気が引けるのでは?

 空き家に悩んでいる所有者がまず相談に来るところはやはり不動産会社です。市役所に行っても活用してくれる人を紹介してもらえるわけでもないので、不動産会社が価値がないということで断ってしまうと、その方は行き場がなくなり、空き家は放置されるだけになります。やはり評価の低い物件でも相談が来たら、窓口になる我々が、所有者の気持ちを汲み取って活用できる人につないでいくという努力が必要だと思います。

 所有者自身も「さっさと解体して処分してしまえばいい」とわかっていても、やはり家に対する思い入れがあり、壊せないまま維持している方も多くいます。従って、それを貸すとなると、いくらで貸せるかという金額より「借りてもらい、大事に使ってもらえればそれだけでいい」という気持ちになりますし、人が集まる場所として使ってもらえるのであれば、所有者は空き家だった自分の家が地域に多少でも貢献していると感じ、喜んでもらえます。そのような感覚をもつ所有者や大家さんもいるので、その架け橋になりたいと思っています。

 

─いろいろな用途で借りたいという人の情報はどうやって集めているのでしょうか

 そのような活動をしていると「友達が面白く使える物件を探しているけど、いい物件はないか」という問い合わせが入ってきます。また、売却価格が“0”に近い物件は自社のHPには出せないので、フェイスブックなどに上げて募集しています。

 

─何故、石巻には多様な方が集まってくるのでしょう

 震災の時に、石巻にボランティアで来た方が、そのまま定着したり、UIターンで戻ってきてくれたことが大きいと思います。それが外部の人たちが石巻に集まるきっかけで、しかも多様な価値観を持つ人が集まってきてくれたのは、人の魅力がつながったからだと思います。

 また、地方の魅力は自由度が高いということにあると思います。アーティストの方が1階で作業して音を出しても、東京などと違ってあまりトラブルになりませんし、何より家賃が安いのでチャレンジしやすいことが挙げられます。さらに、世の中が便利になる一方で、不便な暮らしを楽しむライフスタイルに価値を見出す人もいて、それは都会では実現できません。ローカルの強みはそういうところだと思います。

 

 

古い建物を生かすことで個性のあるまちにしていく

─今までの不動産業者の常識を一度外して考える必要がありそうですね

映画館を改修してクラフトビール醸造所に改修中

 巻組さんと仕事をしていると、消費者の価値観が今までとは変わってきており、「自分の好きな生活を送ることができれば、少々の不便はかまわない」という方が増えていることを感じます。最もびっくりしたのは、ワーケーション施設としてオープンした物件で、2階に上がると床が傾いていました。「この床傾いていますよ、大丈夫ですか」と渡邊さんに指摘すると、「あら、傾いていますね」で終わってしまい、その後、その状態で運営しても別にクレームは無いとのことでした(笑)。私たち宅建業者は床が傾いている物件だと、瑕疵担保の問題を気にしてそのままでは駄目だと思い込んでしまいますが、彼女たちは、それを気にしない人が使うなら問題ないと割り切っており、それを見て「あまり細かいことは気にせずラフな感じでもいいんだ」という発見がありました。原状回復にしても、宅建業者は厳密にルールを守らなければいけないと思いがちですが、ピカピカでないとダメという方は新築物件に入ってもらえばよく、住み心地がよければ新しいものに変えなくてもいいという人もいて、旧来のルールを取っ払うことも必要だと感じました。ただその場合も、取引のプロとして、事前の物件調査を十分にして不具合のある部分は全て伝えることは重要です。その上で、どこまで直した状態にするかについては、お互いがそれでいいという妥協点を見つけた上で引き渡せばいいと思いました。

 

─古い建物を残すということも常識を外すことになりますか

布団屋の跡地を劇場に改修中

 歴史的な建物が残るまちを訪れると、まちが個性的で面白いと感じます。ただ古いからといって、既存の建物が壊されてしまえば、まちの個性はなくなってしまいますし、全国どこも同じようになってしまいます。しかし、このような話を同業者にすると、あまり理解されず浮いてしまいます。やはり手数料商売ですから、更地にして売るか、新築を建てて売った方が手間も少なく、古い建物を残すような面倒くさいことをするより手っ取り早く稼げるからです。しかし、“家は新しいほどいい”という文化を変え、家族の歴史と共に使われてきた建物にも価値があり、そのような建物を大事にしていくことが最終的にまちの魅力を高めることになる、という考え方に徐々になっていけばいいと思います。

 

 

 

 

─不動産の所有者や大家さんも考え方を変える必要がありそうですね

 まちの景観は建物ひとつひとつでできているため、その建物を所有している大家さんの責任は重いと思います。そのため、古くなって維持できないからといってみんなが放置したら、まちはゴーストタウン化してしまうかもしれません。古い建物でも大家さん次第でなんとかなります。

古民家がアートの舞台に、納屋はワークスペースに

 古い賃貸アパートでも入居率の良い物件は大家さん自身が入居者とうまくコミュニケーションをとったり、敷地内に花壇を設置したり、雪が降れば雪かきをするなど、手間と時間をかけながら入居者が心地よく住めるのにはどうすれば良いのかをしっかり考えていらっしゃいます。

 また、情報収集にも余念がなく、セミナーに参加されたり、大家さん同士が情報交換したりと、私も知らない情報を教えていただくこともあり、時々“ドキッ”とさせられることもあります。逆にサブリースなどで管理会社にすべて任せており、物件や入居者のことはなにもわからない大家さんも中にはいらっしゃいます。

 石巻市では大震災直後、住む家がなかったので、家賃が高騰し、大手ハウスメーカーが短期間で賃貸アパートを建ててサブリースしましたが、災害復興も落ち着き、その時の相場で収支計算したアパートの大家さんが今後どうなるのかが心配です。管理会社にすべて任せる賃貸経営も楽ですが、やはり大家さん自身も賃貸住宅経営者として努力することも大切だと思います。

 

─これからの宅建業者はどのような役割を果たすべきでしょうか

 不動産会社の強みは、いろいろな人と繋がっていることです。借主からの相談に応じて、工務店や電気工事店などを紹介するのと同じように、来たばかりの移住者にいろいろな人を紹介し、人と人をつなげていけば面白い化学反応が起こります。

パフォーマンスの舞台になる予定の農地

 一方で、管理会社として収益になる事業と、ソーシャルビジネスははっきりと区分けして動き、本業の仕事とまちづくりの仕事は両輪で回していくようにしています。やはり今まで両親が築いてきた土台があり、それをしっかり維持・発展をしていくことが重要です。その上で石巻の不動産会社としてまちに恩返しするつもりで、宅建業者の立場でできるソーシャルビジネスに取り組んでいきたいと思います。そして、そのような仕事を通じて地域の価値が上がれば、それはいつか自分たちの仕事に必ず返ってくると思います。

 また、既存のルールで不要なものは極力なくし、多様な暮らし方に対し、自由に不動産が使えるようになればもっと流動性が高まると思います。私が知恵を出さなくても利用のアイデアを出してくれる人はたくさんいます。最近は、「こういう物件があるよ」と伝えるといろいろな人がやってきて利活用してくれるので、本当に面白いと思います。

 

※1 𠮷原住宅有限会社 本社:福岡県福岡市中央区 代表:𠮷原勝己氏

 

農地付き古家の賃貸

カナダトロント在住のアーティスト

武谷大介 氏

 

 

 

─どのような経緯で物件を紹介したのですか

比佐野氏カナダのトロントを拠点に活動しているアーティストの武谷さんから問い合わせがあり、オンラインで物件を案内しました。この物件は、現所有者が親から相続した物件で、敷地は500坪、母屋と納屋が建ち、長い間空き家になっていました。農地が広いので草刈りが大変という事もあり「草刈りをしてくれるなら建物はどう使ってもいい」という条件だったので、格安の家賃で借りてもらうことにしました。

 

武谷氏東日本大震災の後、アートのワークショップをしに来たことをきっかけに、いろいろな人と交流ができたのでこちらで活動をすることにしました。石巻は演劇祭などがあり、演劇とアートが盛んなまちです。この物件を借りることにした最初の理由は、そのようなまちで「市民が自由に参加できる芸術の場を作ろう」と思ったからです。農地は、屋外で畑作業をしながらパフォーマンスをする場所に、母屋は海外からのアーティストが長期滞在する場所に、納屋には作家たちが作ったものを展示したり、発表したりしながら、地元の人々と交流する場にしようと思っています。2つ目の理由は、支援物資として贈られて、使われなくなったランドセルが大量にあったのでそれをアート作品に転換して、世界9カ国、国内20カ所を巡回しました。ただ、その作品を置く倉庫が必要で倉庫兼アートができる場所を探していたのです。

 この物件は山と平野部の境界区域にあるのが面白かったのと、自然と人が住むところの境目になっており、夜には野生の鹿が出てくるような未開の場という雰囲気が魅力的でした。母屋に関しては、昭和の建物の良いところは極力残し、傷んでいる所を自分で直し、寝室と4つある和室をゲストハウスに改修し、台所はバーのようにして滞在している外国人にマスターを任せ、地元の人も飲みに来られるようにしたいと思っています。

 

比佐野氏石巻市の補助金制度はユニークで、賃貸住宅を改修する場合でも補助金が出ます。ただ、この物件の場合はそれでは足りず、知恵を使って改修されています。

 

─このようなところにいきなり外国人がぞろぞろ来たら村の人はびっくりしませんか

武谷氏大家さんが、集落の人が不安になるだろうと事前に根回ししてくれたので、私も区長と一緒に集落を回り、全員を紹介してもらいました。

 

─これからの予定について教えてください

武谷氏石巻は外国人の居住者が多いですが、コロナの影響で彼らに対する視線が厳しくなり、外出を自粛しています。ここなら人里離れているので、母国の食事を作り、一緒に食事をしたり、楽しい時間が過ごせると思います。異なる人種の人が交わる場にしたいと思いますが、コミュニティセンターにはせず、あくまで“僕の家”とし、プライベートな場所だから自由にできるし、誰もが自由に出入りできるようにしたいと思っています。

 一時完成は2022年7月を目指しています。その時は、太鼓の演奏をする市内の障がい者団体と、私が主宰する“パフォーマンスアート芸術祭”のメンバーを呼び、ミャンマーからもアーティストが来ることになっています。当初、比佐野さんには市内の賃貸物件も紹介してもらいましたが、アートの活動を根付かせることを考えると地場の力を借りなくてはなりません。私は神奈川県出身ですが、コロナになって都会にいる必要もなくなりました。しかも、私のような作業をする人は、誰からも文句が言われない場所が必要です。その意味で、ここは最高ですし、素晴らしい自然は人生観が変わるくらい魅力的です。

 

 

 

シアターキネマティカ

(一社)ISHINOMAKI2.0

阿部拓郎 氏(左)矢口龍太 氏(右)

 

 

 

比佐野氏石巻は文化的なまちで漁業も盛んで、市街地には映画館が5軒もありました。しかし、最近は徐々に廃業となり、最後に残った1軒も築70年ということもあり、解体して更地で売却するという話になりました。しかし、これを壊すと石巻に映画館があった痕跡がなくなってしまうので、所有者に話をして「この建物を欲しい人が現れるかもしれないか

ら」と壊すのを待ってもらい、SNSで募集したところ「クラフトビールの醸造所をやりたい」という女性が手を挙げてくれました。

 また、隣接する布団屋だった場所も、演劇の普及活動をしている若者たちが「サブカル文化を石巻に創りたい」ということで借りてくれました。この物件は現所有者が親から相続したものになりますが、相続時には親の代に賃貸借契約を締結していた前借主の残置物が放置されたままで、貸し出すにあたり、前借主等といろいろと調整が必要でした。このように古い物を大事にするという価値観を共有できる人がこのまちに徐々に集まっているのを感じています。

 

─この物件はどのような経緯で出会いましたか

阿部氏二人は石巻市出身で、5年前にUターンをしてISHINOMAKI2.0に入社。その後、石巻劇場芸術協会と市から委託を受けて移住コンシェルジュの活動をしています。ある日、移住希望者に空き家を紹介するツアーがあり、たまたまこの物件を視察したところ「ここを劇場にするしかない」とピンきて、移住者に紹介するはずの物件を自分たちの拠点として借りることにしました。矢口が演劇を、私が映画の活動をしている関係からここで劇場文化を復活させたいと思っていました。

 

矢口氏震災後、まちには大きなホールはできましたが、駅から歩けて、利用するハードルの低い小劇場がありませんでした。この場所は、震災後はイベントスペースとして使われており、その際ステージが作られました。程よい広さと奥行きがあるので、非日常的空間として映画や劇を楽しんでもらい、カフェも併設し、いつでもまちの人に親しんでもらえる場所にしたいと思っています。

 

阿部氏地域の人の力を借りながら自分たちで中を解体し始めていますが、照明やスピーカーなど皆さんがいろいろ寄贈してくれます。中には、赤坂プリンスホテルで使われていたソファもあります(笑)。

 

比佐野氏この建物も映画館と同じ親族が所有者で、古くなったから壊して更地で売るという話もありましたが、建物が使えそうなことと、ドラマの撮影ロケ地でも使われたので残したかったのです。しかもドラマの設定は、震災で空き家になった場所をリノベーションして本屋にしたというものだったので、なおさらです(笑)。

 

阿部氏比佐野さんは空き家を守ってくれるキーマンです。何かあったら相談しています。オープンは2022年夏を予定していますが、建物の改修にあたっては今夏クラウドファンディングを実施し、470万円を集めることができました。

 敷地内には中庭もあり、駐車場になっていましたが、隣接のビール醸造所とつなげて人が交流する場所にしたいと思います。

 

矢口氏また、中庭の隅に神社がありますが、そこに捨てられていた社があり、地元の家具職人と掃除して色を塗り、神主に頼んで神入れをしたものです。ここを石巻の芸能神社として、演劇のプレイヤーや役者がお参りできるようにしました。

 

比佐野氏このように若い人たちが自分たちで主体的に歴史のある建物を利用してくれることは、不動産屋としても非常に嬉しいです。

 

 

 


 

比佐野皓司(ひさの こうじ) 氏

1981年、千葉県浦安市生まれ。明海大学不動産学部不動産学科卒業後、都内の不動産会社に就職。東日本大震災をきっかけに妻の実家の不動産会社を手伝うため宮城県石巻市へ移住。賃貸管理、賃貸仲介、売買仲介を主に地元密着の老舗不動産屋。2016年代表取締役に就任。趣味は自転車のロードバイク、ホビーレーサーとして全日本選手権に出場経験もある。

 

 

 

 

信和物産株式会社

代表者:比佐野皓司
所在地:宮城県石巻市恵み野6丁目1-4
電 話:0225-22-2241
H P:http://www.sundeyokatta.com/
業務内容:1981年創業の石巻で40年以上続く老舗企業。不動産管理業を中心に、老朽化したアパートについてコンセプトを持つ賃貸住宅を提案。巻組等のプレイヤーと組み古い空き家を活用したまちづくりにも取り組んでいる。