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宅建業開業の流れ

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宅建業開業の流れ

開業決意
STEP1

事務所の設置

新しい会社をスタートさせるに際して、その本拠地となる事務所を何処にどの様に構えるのかは、業績に直結するとても大切な問題です。

業務を営むにあたって、その拠点となる事務所や店舗を構えることになります。営業という側面からも、事務所の立地などの条件はとても重要であると同時に、会社設立の場合は本店または支店という位置づけとなります。また、宅地建物取引業の免許申請でも、事務所の所在地によって免許の申請先が決まることになり、業務を安全に遂行するための形態も整える必要があります。

事務所の設置についてはこちら
STEP2

会社の設立

会社という法人格にすることによって、社会的信用を得るという大きなメリットがあり、ビジネスに積極的に取り組んでいく上で不可欠なものとなります。

宅地建物取引業は個人での開業も可能ですが、ビジネスを積極的に展開させようと考えている場合には、会社として法人格にした方がメリットは大きいといえます。会社を設立する場合は株式会社になりますが、いくつかの要件を整えた上で設立の手続きを行うことになります。

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STEP3

宅地建物取引士の設置

宅地建物取引業法は、営業を行う事務所などの拠点ごとに、一定数以上の専任の宅地建物取引士の設置を義務づけています。

STEP4

宅地建物取引業免許の申請

宅地建物取引業を営むためには、個人法人を問わず国土交通大臣または都道府県知事の免許を取得した者でないと、行えないことになっています。

宅地建物取引業免許は、申請すれば必ず受けられるものではなく、厳重な審査を経て受理されることになります。申請するに際しては、申請者や会社の役員が欠格事由に該当しないことや、事務所の形態が業務を継続的にできる機能を有しているか、所在地がどこか、また一定数の宅地建物取引士を設置しているかなどについて、登録の基準を満たしている必要があります。

宅地建物取引業免許の
申請についてはこちら
STEP5

宅建協会への加入

宅地建物取引業を開業するに際しては、各都道府県宅建協会に入会すると様々なサービスが受けられます。

全宅保証への加入

宅地建物取引業を営むに際しては、全宅保証によって取引の安全性がより高められ、業務の大きな力になっています。

宅地や建物といった高額なものを取引する宅地建物取引業者は、もしも取引において事故が発生したとしても、取引の当事者に対して損害賠償ができることが必要です。そのために、営業保証金1,000万円を法務局に供託することが宅建業法で義務づけられているのですが、全宅保証へ入会すると、この営業保証金1,000万円が免除され、開業初期費用を大幅に軽減できます。全宅保証と都道府県宅建協会には、同時入会することになります。

宅建協会・全宅保証への
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開業

ご入会のお問合せは、各都道府県宅建協会へ!

都道府県宅建協会一覧はこちら
STEP1 事務所の設置

新しい会社をスタートさせるに際して、その本拠地となる事務所を何処にどの様に構えるのかは、
業績に直結するとても大切な問題です。

事務所の賃料は、業務の出来不出来と関係なく固定的なコストとなるため、出来るだけ賃料の安いところでスタートさせることがベターといえます。

先ずはじめに考えなくてはならないことが、事務所にするか店舗にするかです。エンド顧客をターゲットにするのであれば当然店舗となり、人通りが多く通りがかりの方が自然と来店するような、目抜き通りに面した1階という立地がベストとなります。但し、店舗にすると必ず店番を置かないといけないことと、賃借料が高額になることを考慮しなくてはなりません。

一方、特定の人しか来客の予定がなく、事務作業がこなせればいいというのであれば店舗にする必要はなく、必要最低限の広さのところを1室借りて事務所とすれば足ります。店舗であれ事務所であれ、鉄道が2線以上交わる駅の方が、より顧客ターゲットを広げることが出来、利便性も向上するので、立地としてはよりよいということになります。

その次に考えなくてはならないのが、賃借に掛かるコストです。当初賃借するに際して必要となる敷金・礼金等と、賃貸期間中ずっと支払う賃料・共益費・その他冷暖房や駐車場等、その貸室を借りることによって支払い続けるコストの月額合計が、自分自身で想定している計画の範囲内で収まっているかです。店舗であれば来客が見込めそうなところであるほど、高い賃料設定になっていますが、月々支払う賃貸関係の費用は固定的な出費のため、絶対に無理のない額におさえなくてはなりません。

なお、自宅の一部を利用して事務所にしようとすることも可能ですが、宅地建物取引業免許を取得する関係で注意しなくてはならないことがあります。まず、自宅と事務所の出入口を兼ねることは出来ず、事務所専用の出入口を必ず設けることが必要となります。また、部屋の一部を事務所とすることは不可能で、壁で完全に間仕切りされた独立したスペースが、事務所だけに使用されるという状況にしなくてはなりません。自宅に限らず、法人の事務所の一角を事務所とする場合においても、出入口と独立性について同様の形態を整える必要があります。

STEP2 会社の設立

会社という法人格にすることによって、社会的信用を得るという大きなメリットがあり、
ビジネスに積極的に取り組んでゆく上で不可欠なものとなります。

ビジネスを遂行する時に、「個人として責任を持ちやります」と言われるより「会社として責任を持ちやります」と言われたほうが、信頼感がすごく高まるのではないでしょうか。会社という法人格にすることによって、社会的信用を得るという大きなメリットがあり、ビジネスに積極的に取り組んでゆく上で不可欠なものとなります。

会社にするためには法律に即した手続きや要件が求められ、設立後は法務局に行けば誰でも自由にその内容を確認することが出来ます。この結果として、事業資金の借り入れ、人材の募集をはじめとしてあらゆるビジネスの場面で、個人に比べて会社のほうが信用力が高くなります。全国で宅地建物取引業者は約12.5万社ありますが、その内法人として営んでいるところが約8割で、残り約2割が個人で営んでいるといった状況です。但し、首都圏の1都3県では個人の割合が低く、約9割が法人として営んでいます。

会社設立のメリット

会社にするメリットとして、責任が有限のためにリスクが少ないことと、税制上に有利な場合があるということもあげられます。責任が有限と言うのは、業績が悪化したり倒産した場合に、個人事業であれば、その事業主個人の財産全てが債務の対象となるため失うリスクがありますが、一般の会社の場合は、出資者は自分の出資した金額の範囲でしか責任を取る必要がないのです。また、税制の違いにより、個人の事業所得が大きくなると会社として行う方が税務上有利になります。会社の場合は、報酬や役員退職金を受け取ることにより所得分散が図られ必要経費として扱われることや、自動車などを会社名義で購入するなど必要経費の範囲も広くなっています。

事業の継続性

会社 個人事業
信用力

社会的信用が高い

←資本金・役員・会社規模によって決算内容などが公開の対象となっている。

会社に比べて低い

←周りから見ただけでは財務体質や責任者などが不明確である。

責任

会社自体が負い、株式会社・有限会社の場合は株主や出資者に出資額以上の責任は及ばない

個人が全て負担する

意思決定

会社組織によって株主総会、取締役会、代表取締役など会社の機関が決める

個人が全て決める

事業の
継続性

解散などの事由がない限り存続する

個人の死亡によって終了する

利益

会社のものであり、会社の所有者である出資者には一定条件のもと、配当として配分される

儲けは全て個人のもの

税金
  • 損益通算
    出来る
  • 一定税率
  • 費用計上出来る範囲が広い
  • 損益通算に制限がある
  • 累進課税
  • 費用計上出来る範囲が狭い

会社法について

会社の設立手続き自体は、行政書士などの専門家に依頼する方が多いでしょうが、資本金のほかに手続きに掛かる費用として、定款認証の収入印紙代、公証人の手数料、設立登記の登録免許税、行政書士や司法書士の設立手続き費用があります。

会社法の概要

会社を設立・運営する際のあらゆるルールが法律としてまとめられたものが会社法です。

内容 新法
設立出来る会社 株式会社、合名会社、合資会社、合同会社(日本版LLC)
最低資本金規制 制限なし
取締役・監査役の人数・任期
  • 3名以上(取締役会設置の場合)
  • 株式譲渡制限会社は1名以上、任期は最長10年まで延長可(原則2年)
監査役の人数・任期
  • 1名以上、任期4年が原則
  • 株式譲渡制限会社は設置は任意で、任期は最長10年まで延長可
会計参与 新設、全ての株式会社に設置可能
会社の機関設計
  • 株式譲渡制限会社では、取締役会設置が任意
  • 株主総会+取締役(最低1名)でも可
発起設立の払込金保管証明 金融機関の残高証明利用可
株主総会で決定出来る事項 取締役を置かない会社・・・全ての事項が決定出来るように規制を緩和

開業しようとしている会社の名前ですが、注意しなくてはならないのが、公的機関などの名称と似ていて紛らわしいものは宅地建物取引業免許の申請で、変更させられる場合があります。例えば、○○住宅センター、○○流通センター、○○協会といった名称は避けなくてはなりません。また、免許申請の関係で、定款には必ず事業目的に「不動産の売買」「不動産の売買の仲介」「不動産の賃貸の仲介」など宅地建物取引業を営むことの記載が必要となります。

会社設立の流れ

STEP1

会社基本事項の決定

商号・本店・事業目的・役員などを決めます。

STEP2

定款の作成

会社のルールである定款を作成します。

STEP3

定款の認証

公証人役場で、定款を認証してもらいます。

STEP4

出資金の払込

銀行などの金融機関に残高証明書を発行してもらいます。

STEP5

登記申請

申請書・議事録など登記に必要な書類を作成し、法務局に登記の申請をします。

STEP6

株式会社の設立

登記が完了するとあなたの会社が誕生します!

STEP3 宅地建物取引士の設置

宅地建物取引業法は、営業を行う事務所などの拠点ごとに、
一定数以上の専任の宅地建物取引士の設置を義務づけています。

宅地建物取引業法は、宅地建物取引業者に専門家としての役割を十分に果たさせるため、営業を行う事務所などの拠点ごとに、一定数以上の専任の宅地建物取引士の設置を義務づけています。また、設置人数である一定数は、事務所の規模、業務内容などを考慮して国土交通省令で定められています。事務所については、事務の補助などの人も含めて、少なくとも業務に従事する者の5名に1名以上の割合とし、施行規則第6条の2で定める案内所などの場所については、少なくとも1名以上の専任の宅地建物取引士を設置するように義務づけています。

つまり、本店や支店となる事務所については、事務所ごとに事務の補助をする人も含めて、従業者の数が5名までであれば1名、従業者の数が6~10名であれば2名、従業者の数が11~15名であれば3名の専任の宅地建物取引士を、必ず設置しなくてはなりません。

STEP4 宅地建物取引業免許の申請

宅地建物取引業を営むためには、個人法人を問わず国土交通大臣または都道府県知事の
免許を取得した者でないと、行えないことになっています。

免許について

宅地建物取引業を営むためには、個人法人を問わず、国土交通大臣または都道府県知事の免許を取得した者でないと、行えないことになっています。これは、宅地建物取引業が広く国民の大切な財産である宅地や建物を取り扱う仕事であり、物件金額は高く、手続きや物件そのものを扱うのに、高度な専門性が必要とされるためです。宅地建物取引業とはどのようなものかというと、宅地または建物について次のことを業として行うものとされています。

許可権者が国土交通大臣か都道府県知事かについては、事務所が複数ある場合にその所在地がどこかによります。事務所を2箇所以上設置する場合に、その場所が1つの都道府県内だけに限定されていれば該当する都道府県の知事で、2以上の都道府県にわたる場合は国土交通大臣となります。開業時は1箇所でスタートすれば知事免許を取得し、将来事務所の数を増やした時に、複数の都道府県にまたがった場合には、大臣免許を再度取得し直すことになります。

  • 本店または支店(主たる事務所または従たる事務所)
  • 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、宅地建物取引業に係る契約締結権限を有する使用人を置くもの

国土交通大臣であれ都道府県知事であれ、免許の効力には差がある訳ではなく、宅地や建物の販売や契約といった取引の業務は、免許さえあれば日本国内どこででも出来ます。

免許取得の手続き

申請の窓口は、本店事務所の所在地がある都道府県庁の宅地建物取引業担当課となり、国土交通大臣免許の申請をする時にも、窓口は同様です。提出しなくてはならない免許申請書などの法定書類については、県庁などで入手した上で、必要事項を記入していくことになります。また、商業登記簿謄本や身分証明書などの公的証明書を初めとした提出書類についても、別途用意しなくてはなりません。また、事務所の外観や内部の写真も提出しなくてはなりません。必要書類が全て揃ったら、副本用として必要な部数のコピーをとり、書類を決められた順番に上から重ねて綴じ、コピーした書類を使い副本用も同様に綴じれば、提出用書類は出来上がります。

窓口への書類の提出ですが、都道府県庁へ申請人本人が出向き提出します。この時に、申請手数料知事免許3.3万円、大臣免許9万円の支払いが必要となりますので、忘れずに持参するようにします。審査に4~6週間程度かかり、免許の通知があったならば営業保証金の供託を行い、供託物受け入れの記載がされた供託書の写しを添付して、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に届出を行います。これで免許証の交付を受けることになり、いよいよ晴れて営業を開始することが出来ます。

申請手続きに要する期間ですが、申請から免許通知まで4~6週間かかり、営業保証金の供託について宅地建物取引業保証協会に加入する場合には、この手続きに2ヶ月位かかることになります。申請後に直ちに宅地建物取引業保証協会加入の手続きを開始したとしても、トータルで2ヶ月以上要することになります。

STEP5 宅建協会・全宅保証への加入

宅建協会

宅地建物取引業を開業するに際しては、全国宅地建物取引業保証協会へ加入したり、
各都道府県宅建協会に入会すると様々なサービスが受けられます。

宅地建物取引業を開業するに際しては、営業保証金供託免除のために(公社)全国宅地建物取引業保証協会へ加入したり、レインズを利用するために指定流通機構の会員になった方が何かと有利です。そして、このふたつを同時に行うためには、各都道府県にある宅地建物取引業協会という業界団体へ加入することになります。

宅地建物取引業協会への加入は、全宅保証や指定流通機構を利用するためばかりではなく、実際に宅地建物取引業を営むにあたって必要となる、様々なサービスを提供してくれます。また、情報が重要視される業務の中で、会員同士が知り合え、会員同士での連絡や連携によって、事業チャンスを拡大させることにもつながってきます。以下に、宅地建物取引業協会の会員になったときに受ける主なメリットについて、述べます。

merit #01開業支援

  • 営業保証金1000万円の供託を免除
  • 安心・信用が得られる手付金保証制度と手付金等保管制度

merit #02営業支援

  • ハトマークサイト、レインズ、その他でネット営業を支援
  • 宅建協会会員だけが取扱える全宅住宅ローン
  • 全国不動産業者の80%で構成されるハトマークグループのブランドが営業支援
  • 地域密着を支援。青年部会、女性部会等で情報やヒントを入手

merit #03実務支援

  • 宅建協会会員業務支援サイト「ハトサポ」
  • ハトマークWeb書式作成システム(クラウド)
  • 充実した各種書式のダウンロードが可能
  • 全宅連の税務相談、弁護士による法律相談、書式相談、都道府県宅建協会の不動産相談
  • 各種出版物が会員限定特別価格で
  • 仕事上の万一に備える「宅建士賠償」
  • 賃貸管理業をサポート!全宅管理への入会

merit #04スキルアップ支援

  • Web研修、実務セミナーなど種々のセミナーを実施
  • 各都道府県宅建協会の法定講習が充実

merit #05多角的サポート

  • 提携企業の各種業務支援サービス

団体加入のコストですが、それぞれの都道府県の協会によって違いがあるので、入会手続きやコストを含めて、加入窓口である各都道府県にある宅建協会に確認してください。

全宅保証

宅地建物取引業を営むに際しては、全宅保証によって取引の安全性がより高められ、
業務の大きな力になっています。

もしも取引上で事故が起こってしまった場合には、宅地建物取引業者は取引当事者の損害を賠償しなくてはなりません。いざ損害賠償をしなくてはならないという事態になって、資金がないということにならないために、業務を開始する前に一定額を預けておいて、損害の大きさに応じて賠償出来るようにしたものが、営業保証金制度です。

宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければなりません。供託とは、ある財産を法務省が管轄する国家機関である供託所に提出して、その管理を委ね、供託所を通じてその財産をある人に受領させることにより、一定の法律上の目的を達しようとするものです。

営業保証金はもしもの場合の備えとはいえ、これから開業しようとする者に取って大きな負担です。このことを考慮して、宅地建物取引業者の負担を軽減させるため営業保証金の供託に代えて、国土交通大臣が指定した(公社)全国宅地建物取引業保証協会(以下「全宅保証」という。)へ加入した上で、弁済業務保証金を納付する方法が定められています。この制度を利用した場合、全宅保証への弁済業務保証金分担金の納付金額は、次のように定められています。

全宅保証への加入で
開業初期費用の大幅な軽減が可能!

全宅保証は、宅地建物取引業者が社員となって設立された公益法人で、宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の弁済業務に加えて、社員である宅地建物取引業者の取り扱った取引に関して、その相手方から申し出があった苦情の解決、宅地建物取引士やその他宅地建物取引業に従事する者に対しての研修も、業務として取り組むことになっています。

また、これらの業務に加えて、宅地建物取引業者との契約により、その宅地建物取引業者が受領した支払金または預り金の返済債務や、その他の債務を負うことになった場合に、その返済債務などを連帯して保証する業務や、手付金などについての保管業務も執り行なっています。宅地建物取引業を営むに際しては、全宅保証によって取引の安全性がより高められ、業務の大きな力になっています。